はじめに
ギャップイヤーとは一言で言うと、大学入学を遅らせて自分の好きなことをする年のことです。
今回の記事では海外生活10年以上の筆者が、今の一言で伝えきれなかったギャップイヤーについての詳細を詳しく解説していきます。
この記事を読むことで得られる内容
・ギャップイヤーの意味
・ギャップイヤー中の過ごし方
・取得するメリットとデメリット
・海外でのギャップイヤーの取得率
では早速始めましょう!
目次
ギャップイヤーって何?
まず最初に日本ではあまり知られていない、ギャップイヤーとは何かということについて説明します。
ギャップイヤーとは・・・
イギリスで1960年代から見られるようになった、高校卒業後、大学入学前に行われる入学までの猶予期間のことで、その間に学校以外の様々なことを経験する体験学習の年です。
ギャップイヤーにはさまざまな方法があり、ギャップイヤープログラムへの参加、留学、海外旅行、無給または有給インターンとしての勤務、またはボランティア活動などが含まれます。
現在は大学の休学時や卒業後の能力向上の為の期間という意味でも使用される場合もあります。
ギャップイヤーは元々は高校を卒業して大学入学資格を持っている生徒が大学の入学を遅らせる申請をすることによって取得できる期間のことですが、現在では大学休学中や大学院入学までの期間など広い意味でも使われるようになりました。
ギャップイヤー制度を導入している大学とそうでない大学がありますので、あなたの進学する大学にそのような制度があるか確認しておくとよいでしょう。
海外で大学進学予定の学生へ行われた調査では約40%の学生がギャップイヤーを取得する、もしくはその予定であると答えたそうです。
参考【Inside Higer ED】Nervous Freshmen, Nervous Colleges
私の周りでも過去にギャップイヤーを取得したことのある外国人が多いので直接感想を聞いてみたところ、多くの人々が「ギャップイヤーを取得して良かったと思う」と言っています。
では、その理由は何なのでしょうか、ギャップイヤーを取ることによるメリットを整理しておきましょう。
ギャップイヤーを取得するメリット
・大学の卒業年数が縮まる
ある研究の結果で、ギャップイヤーを取得した生徒はしていない生徒に比べて将来の目標設定が明確になることから卒業年数が早まる傾向にあるという結果が出ています。
アメリカの大学修了の平均年数は6年なのに比べてギャップイヤーを取得した生徒は4年以内に卒業するということです。
更にギャップイヤーを取得した生徒の60%はギャップイヤーの経験が自身の専攻の決定に影響していると答えています。
・スキルを取得できる
2つ目のギャップイヤーを取ることによるメリットは、様々なスキルを取得できることです。
ギャップイヤー中は海外に留学する人も多いですが、そのお陰で語学を習得したり他者とのコミュニケーション能力を上げることも可能です。
そしてインターンなどで実際に業務を経験したり、ボランティアで自主的に活動することによって、仕事のスキルやリーダーシップのスキルなど様々な面でスキルアップに繋がる場合が多いです。
・将来設計の手助けになる
ギャップイヤーを取ることで、未来の将来設計の手助けになります。
10代や20代前半で「自分のしたいこと」や「将来の目標」を設定するのはとても難しいですよね。
ですから一度学校から離れて留学や実際に働いてみることで、自分が本当にやりたいことが見つかるかもしれません。
先に大学の卒業年数が縮まるという点について述べていますが、ただ何となく学生時代を過ごしている生徒と、明確な目標や意志を持って取り組んている生徒では、卒業年数に違いが見られるのも納得ですよね。
ギャップイヤーを取得するデメリット
・時間を無駄にする可能性がある
ギャップイヤーを取得するデメリットの一つ目は、時間を無駄にする可能性があるということです。
ギャップイヤーはきちんと目標を持って計画や実行しなければ、ただダラダラして過ごしてしまったり、予定していた計画を実行できずに終了してしまう場合があります。
ですから、取得する際にきちんと計画を立て、本当にギャップイヤーが必要であるのか検討する必要がありそうですね。
必要のないギャップイヤーの取得によって、学習意欲を失ってしまったり逆にマイナスな影響を与えてしまう可能性もあります。
そうなってしまった場合、周囲と比べて学習の進行状況の遅れや就職先が決まっていない焦りなどを感じることもあるかもしれません。
・費用が掛かる
ギャップイヤーは場合により高額になる可能性があります。
有給インターンやワーキングホリデーなどで十分な給与が支払われない場合、ギャップイヤー中の生活費や費用が自費になってしまう場合が多いです。
ですから、ギャップイヤーで掛かる費用以上に得られるものが大きくなければ、費用対効果が良いとは言えません。
特に企業が行なっているギャップイヤープログラムなどの場合も、費用や内容について細部まで確認しておきましょう。
ギャップイヤープログラムのコストは平均276万円程掛かるそうですが、地域にへの奉仕活動やインターンシップを組み込むことでそのコストを下げることができます。
更にプログラムの内容が自分のイメージに合っているか、場合によっては可能なら自身で旅行や留学をコーディネートをすることで費用が抑えられるかもしれません。
ギャップイヤー中の過ごし方
オーストラリアで行われた「ギャップイヤーでしたいこと」について調査した研究では、このような結果が出ています。
一位は「海外旅行(や留学)」で54%、半数以上が海外に行きたいと答えていますね。
その次に多いのが「海外で働きたい」で26%なので、海外旅行をしたり海外で働く経験をしてみたいという方が多くを締めていることが分かります。
その他国内で実家から離れた場所で働きたい方や、実家から働きたい方、またボランティアをしたいという方まで、海外や国内に関わらず、自分の未経験分野を経験したいという方が多いようですね。
私がギャップイヤーを知ったきっかけ
あなたはギャップイヤーについてご存知でしたか? また、知っているという方は何処で知りましたか?
筆者は日本にいた頃は留学については知っていましたが、ギャップイヤーについてはその言葉すら聞いたことがありませんでした。
少し古い統計ですが、2013年に東大生に向けて行われた調査では、ギャップイヤーという言葉を聞いたことがある生徒は全体の20%、説明できると答えた方は14%に留まりました。
【マイナビ】東大でも実施の「ギャップイヤー」、国内の認知度は20%に留まる
日本ではギャップイヤーの認知度が極めて低いということが分かりますね。
私自身のギャップイヤーという制度を知ったのはなんとアメリカのカレッジに入学してからで、ある日学校の進路に関する授業で、ギャップイヤーについて討議するという授業がありました。
内容は「学生はギャップイヤーを取るべきか」「ギャップイヤーの間に何が出来るのか」など皆一人一人の意見を言い合うというものでしたが、生徒は皆それぞれ個人の意見を持っており授業は白熱しました。
そのように授業内で学校側から教えることや、学生がギャップイヤーについて真剣に向き合ったり討議に積極的に参加することで、実際に将来の選択肢を広げたり、早い段階で真剣にキャリアや人生に向き合うことができるのではないかと感じます。
まとめ
いかがでしたか?
今回はギャップイヤーについて解説しました。
若い年代では、ギャップイヤーを取得することで周囲の人々より遅れてしまうことに恐怖感を感じてしまったり、焦りを感じることもあると思います。
(筆者も若い頃は、周りと比べて「今から◯◯を始めるなんて」「周りは就職しているのに」などと一人で焦っていました・・・あの頃の自分に「好きなことをやってみたらいい、周りと比べる必要なんてないよ!」と言ってあげたい。笑)
現在の私個人の意見では、人生100年時代、10代20代の数年を焦ることは全くないと思います。
色々な世界を見て沢山の選択肢があることを知って、その上で「自分の本当に好きなことは何か」「将来の目標は何か」というシンプルだけれどとても難しい問いの答えを見つけていくきっかけになれば良いのではないでしょうか。
皆さんそれぞれ色々な意見があると思いますが、あなたはギャップイヤーを取ることについて、どのようにお考えですか?
賛成の方も反対の方も、あなたの意見があれば是非コメント欄で教えてくださいね。
今回も、最後までお読みいただいてありがとうございました。
参考【Youth Sense】Parents Need To Wake Up To The Benefits Gap Years Bring Teenagers
【Wikipedia】ギャップイヤー|【Best Colleges】Should you take a gap year?
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