はじめに
今回はアメリカ進出に挑戦する日系企業がぶつかる壁について解説していきたいと思います。
日本でビジネスをしている方なら、一度は「アメリカや海外でビジネス展開してみたい」とお考えの方は多いのではないでしょうか。
筆者は日系企業の立ち上げや支援を行ない日系企業のアメリカ進出を見てきましたが、日本や他のアジア圏で成功している企業でも、長期的にアメリカで成功する企業はほんの一握りです。
日本で成功している企業でも、国をまたぐと予想外な問題が立ちはだかっていて、ビジネスをアメリカで軌道に乗せるのは至難の業です。
しかしこの内容を頭に入れておくことで今後課題になりうるポイント理解し、あなたのアメリカン・ドリームを掴む為の参考になれば嬉しいです。
今回の記事では海外進出の際日系企業がぶつかる壁7選と海外進出の際のポイントについて解説していきたいと思いますので、是非最後までご覧くださいね。
では始めましょう!
目次
海外進出の際日系企業がぶつかる壁8選
人材の壁
企業が海外進出する上で最も難しい課題の一つは優秀な人材の確保でしょう。
日本からの駐在者はもちろん、現地で実績があり信頼できる人材を確保したり、アメリカ人やその他の外国人を雇用したり今まで日本で行なっていた人材の採用とは全く違ってきます。
人材派遣会社や現地の人材募集プラットフォームを利用したり、現地企業と提携するなど様々な方法で人材確保を行います。
アメリカ人などの現地で働く従業員の育成や働き方なども文化が違うと、日本で通用する当たり前が通用しません。
幹部からスタッフまで立ち上げチームの選抜は海外進出を成功させる為の最も重要なポイントの一つとなるので慎重に行いましょう。
ビザの壁
アメリカで合法的に働く為には就労ビザが必要となります。
どのようなビザをどのように取得するべきか弁護士と相談して、一番効率的なビザの申請を行う必要があります。
会社設立やビザに関わる事項は弁護士に依頼するのですが、ビザを申請するにも書類の用意に時間が掛かったり予想外の問題が発生する場合もあります。
思い立ってすぐにアメリカで事業が始められる訳ではありませんので、早めに計画を立て準備しておきましょう。
距離の壁
日本とアメリカでは最短で10時間のフライトが必要となりますので、時間も経費も掛かる為に経営軍も頻繁に現地視察を行うことは容易ではありません。
だからこそ普段の現地の従業員とのコミュニケーションが最も大切な事項となりますね。
距離はあっても新規店舗オープンやイベントの際はもちろん、調査や何でもない時にでも定期的に現地に足を運んで従業員とのコミュニケーションをとったり、長期と短期の目標の共有したりすることで、従業員のモチベーションアップと成功にも繋がります。
時差の壁
日本とアメリカでは西海岸の場合16時間(サマータイム中は17時間)の時差がありますので、現地の従業員とのコミュニケーションは更に難しくなりますね。
日本の就業開始時間である午前9時は西海岸では午後5時となってしまい、更に曜日も一日ずれてしまう為月曜日と金曜日はどちらかの週末と重なってしまいます。
そうなるとリアルタイムでやり取りできる時間は一日のうちでもかなり限られてしまいますね。
ですからミーティング時間を定め定期的に状況報告をしたり、Slackやビジネス用のLineアカウントを用意しておくなど時差を気にせず連絡をしておける仕組みを作りも大事です。
言葉の壁
本社で英語が堪能な人材がいない場合は、現地の従業員と直接コミュニケーションをとるのが難しく苦労する場合も多いでしょう。
コミュニケーションはビジネスの成功で最も重要とされるツールなので、言葉の壁をクリアにして円滑なコミュニケーションを取ることは必須です。
日本語ができる従業員の確保は必ず必要になってきますし、本社と現地両方に数名は確保しておくと良いですね。
更に売りたい商品やサービスも英語表記や翻訳が必要になる場合が多いので、プロに任せるかきちんとビジネスレベルで翻訳できる人材を採用する必要があります。
法律の壁
アメリカは訴訟大国なので、法律違反がないようにきちんと対策を打っておく必要があります。
安易に考えることで従業員やお客様から起訴されてしまい、巨額の負債を負ったり破産をする企業も沢山あります。
労働基準に違反していたり、ハラスメントについても徹底的に予防する必要があることを留意しておいてくださいね。
特に雇用契約書、労働基準に関する社内のルール、解雇、その他従業員とのトラブルなど弁護士に依頼する事項も多くあります。
従業員に人種や出身地、容姿に関わるコメントをしたり、面接時や雇用時の対応などハラスメントに該当してしまう場合がありますので何の行為が法律違反に当たるのか、企業が前もって学んでおくべきです。
その為にも問題があった際もすぐに相談できるアメリカの顧問弁護士や税理士は必ず見つけておくようにしましょう。
お金の壁
当然ですが、日本と海外では物価が異なります。
アメリカ進出する際には物件の家賃や人件費などの固定費から移動代や光熱費などあらゆる面での支出が高額になることを覚悟しておいたほうが良いでしょう。
物価が高いということは当然従業員の家賃や生活費も上がるのですから、従業員に支払う給与も上がるのは当然のことですよね。
ですから利益が出始めるまでの期間の経費も、日本での場合よりも少し余裕を持って計算し用意しておく事をおすすめします。
文化の壁
正直色々な壁がありますが、この文化の壁という点が全ての項目にも関わってくると思います。
国が違えば文化が違う、そうなれば顧客や従業員が求めるものも違います。
当たり前のことなのですが、特に日本で成功している企業は「このままで良いだろう」「今まではこれで上手くいった」と変化を嫌う傾向も強いので中々問題が改善されない場合も多いです。
現地の人々が本当に求めているものは何なのか、念入りに時間をかけて継続して調査することが成功のカギと言えるでしょう。
そして「距離の壁」の項目でも少し触れていますが、経営者や幹部は報告書や部下だけに頼らず、自身で現地に足を運び自分の目で現状を把握することが何より大切だと感じます。
日系企業のアメリカ進出成功における3つのポイント
目的とゴールの明確化
「アメリカン・ドリームを掴む!」という心構えは素晴らしいのですが、実際にアメリカ進出をし黒字化していくには沢山の困難が待ち受けています。
ですから明確な目的無しで安易な気持ちで進出をしても、失敗する確率は高いです。
しかしその困難を乗り越えた先には、今までとは全く違った新しい世界が待っていることでしょう。
まずアメリカ進出する目的を明確化すること、そしてはっきりとした最終ゴールを掲げてそこに向かって前進することが大切ですね。
従業員とのゴールの共有やミーティングは必ず定期的に行う事をお忘れなく!
時間が掛かる
今や世界で大成功を収めているユニクロでも海外進出を初めて黒字化までに約7年間の赤字期間があったと言います。
参考【DejimaJapan】
その間に諦めて退散してしまっていたら、今の国際的な成功はなかったかも知れないと思うと心が動かされますよね。
アメリカで成功するためには、まず徹底的な調査と失敗から学ぶ改善が必要で、実際に黒字化し利益に繋がるまでにも時間がかかる可能性を頭に入れておいた方が良いでしょう。
変化が必要
アメリカ進出を成功させるために最も必要である事項は、「環境に適応する・変化できる」企業であることが挙げられると思います。
その為には先ほど挙げた徹底的な調査や新しい試みも積極的に取り入れていく必要がありますね。
製品やサービスだけでなく、マーケティングや店舗運営、雇用制度などあらゆる点において、今までの常識を変える必要があるかも知れません。
そして変化を恐れず挑戦し続けていく企業は、アメリカだけでなく日本でも他の国でも更に成功していく世界企業に発展していくのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
アメリカ進出に挑戦する日系企業がぶつかる壁と成功の秘訣について解説していきました。
あなたの挑戦が素晴らしいものになりますように、心から応援しています。
今回も、最後までお読みいただいてありがとうございました。
アメリカの海外進出を検討中の個人または企業様向けに、無料コンサルティングも行なっておりますので、ご質問があればお気軽にメッセージくださいね。
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