【 コロナ後世界で急増】アジア人差別と暴力【Asian Hate Crime | アジアン・ヘイト・クライム】
あなたはアジア人に対するヘイトクライムについて真剣に考えたことはありますか?
今アメリカでも毎日報道されており、日常でも多く取り上げられているこの問題。
日本に住んでいる友人たちとの会話で、日本でもアジアンヘイトクライムに関するニュースが報道されていることを耳にしました。
日本でも大きく取り上げられていて良かった
でも、アジア人差別って?私も差別される可能性があるの?
実際にあなたと友人との会話の中にヘイトクライムの話題は出てきますか?
あなたは無実なアジア人たちがアジア人だという理由だけで暴行を受けたり殺害される件について、どう思いますか?
あなたの家族や大切な人がそのような理由で暴行を受けたり命を落とすことがあれば、納得することができますか?
今回の記事ではもっとアジアンヘイトクライムについての現状を知って頂きたくて、今アメリカを始めとする世界で起こっている事実を分かりやすく説明していきたいと思います。
前回Black Lives Matterの黒人への人種差別による抗議運動についての記事を再投稿していますので、合わせてお読みいただけると嬉しいです。
まず、日本語ではあまり馴染みがないヘイトクライムという言葉の意味について理解しておきましょう。
ヘイトクライムとは?
参考文書【Wikipedia】
今回アジアンヘイトクライムが多発しているということは、上記の理由でアジア人が差別の対象となり暴行などを受けているのです。
なぜアジア人?
まず今回差別の対象となっているアジア人というのは誰のことなのでしょうか?
「アメリカで生まれたアメリカ国籍のアジア人も対象なの?」
「アジアから移住して来た人がアジア人?」
今回の主なアジア人差別はアメリカで生まれたアジア人(アジアン・アメリカン)を含むアジア人全体に対する差別です。
元々は差別対象はアジアンアメリカンだと言われていましたが、見た目で国籍は判断できませんから市民や移民に関わらずアジアの血を引いている人々は皆対象だと言えるでしょう。
Invisible Minority (インヴィジブル・マイノリティー:見えない少数派)
アジア人の存在は時にInvisible Minority = 見えない少数派と表されることがありますが、それは何故でしょうか?
基本的に黒人など白人から見た少数派のことをマイノリティーと呼ぶことがありますが、アジア人は存在自体も見えないかのように強調されることがありませんでした。
それにはこのような理由があるようです。
サイレント(沈黙・声を上げない)
Invisible Minority と呼ばれる理由は何なのか。。
それは世界でのアジア人のステレオタイプのイメージとして、差別や嫌なことがあっても声を上げないという意識があり、それを差別的にサイレントと表現することにあります。
アジア人全員が声を上げないという訳ではないでしょうが、アジア圏の文化や過去にアメリカに移住してきたアジア人は移民がであった立場がゆえに、差別や事件を黙認さざるを得なかった過去もあるかもしれません。
更にアジア人は以前より他人種から性的な対象とみられることが多く、それも今回のヘイトクライムに大きく関わっているということです。
トランプ元大統領の発言
以前よりトランプ元大統領は執拗にコロナウイルスのことを「チャイニーズ・ウイルス」だと表現していました。
更にはトランプ氏と一部の報道陣により繰り返されるコロナウイルスは「中国人が持ち込んだウイルスだ」などの発言によりトランプ元大統領支持派のアジア人に対するヘイトクライムを後押しした見られています。
このニュースはアメリカだけでなくヨーロッパなど世界のニュースで大きく報道されています。
2020年以降に起きたアジアンヘイトクライム
2020年アジアンヘイトクライムはコロナウイルスの拡散がきっかけで、2019年の件数の150倍にまで増加しています。
2021年3月にジョージア州で起きたマッサージ店で働くアジア人女性6人を含む計8名が銃撃の末に死亡したことは衝撃を与えましたね。
私の住むサンフランシスコでも今月アジア人女性が通りすがりの男性に顔面を殴られるという事態が起きていますし、それ以外にも毎月のようにアメリカをはじめとする世界で暴力的な事件が起きていることを見ると状況はかなり深刻です。
アジアンヘイトクライムに対する抗議運動
現在アメリカではアジア系のセレブ達を始めとした老若男女の国民やがアジアンヘイトクライムに対する抗議運動を行っています。
前回の黒人差別抗議運動【BLM】の時と比べると規模はまだ小さいですが、LAやNYなどの都市では実際に抗議運動に参加する人も多く見られます。
コロナ渦の抗議運動だということもあり、SNSや報道メディアを屈指して抗議運動を行う人口も増えています。
私たちも#StopAsianHateのハッシュタグで差別や暴力に対する抗議を行いましょう。
そこでこの現状をもっと身近に感じて頂きたいので、実際にアメリカに在住している私自身が体験した出来事をお話ししたいと思います。
私の身に起きた差別
2020年の去年、私は一歳になったばかりの娘の血液検査のためLab(ラボラトリーという簡単な検査をする病院のような所)に連れて行きました。
アメリカのLabは基本的に混んでいて10人以上待っていることもざらですが、私は朝早く到着したので、私の前には4人ほど待っているくらいでした。
しかし慣れない場所で不安だったのか娘がくずり出したので、私は待合室の外で待機していました。
待っている途中に保険に関する事項で待合室に呼ばれたので娘を抱き抱えて受付に行きました。
その際娘はマスクをしていませんでした。(アメリカでは赤ちゃんは呼吸器の問題で2歳まではマスクをしないことを推奨されています)
すると白人の女性が近寄って来て、とても嫌そうな顔をして大声で私たちに向かって「あなた達が私たちをリスクにさらしている、出て行け」と叫ばれました。
私は悔しくて必死で娘がまだ1歳でありマスクを推奨されていない状況であることを伝えましたが、彼女は更に声を上げてドアをバタンと閉めて出ていってしまいました。
その瞬間、私は張り詰めていた糸が切れたようにその場で涙が溢れました。
その際に待合室に居合わせたアジア人の年配の女性が「大丈夫。あなたが自信を持って生きれば、それはあなたの子供にも伝わるから」と優しく声を掛けてくれたので余計に涙が止まりませんでした。
その時の彼女の言葉と優しい表情は一生忘れられないと思います。
正直罵倒されていた時には私たちの身に起こったことが理解出来ずに呆然としてしまいましたが、後に知り合いにそれがアジア人差別からくる行動であった可能性が高いと言われ、私たちの身に危険がある可能性についても気づかされました。
(個人的にはこれがアジア人に対する差別であるかないかにせよ、2歳以下の赤ちゃんにマスクをつけないということで、不満に感じる人達もいるという別の視点にも気付かされたので、もっと周りに配慮しようという思いも芽生えました。)
因みに私の別の友人もレストランで差別的な対応を受けたことがあると話してくれました。
悲しいですが、アジア人に対しての差別は実際に暴力や事件にまで至らぬとも、私たちの生活している身近にも存在しているのだと思います。
新アメリカ大統領バイデン氏による呼びかけ
バイデン氏は今アメリカで起こっているアジア人に対するヘイトクライムについて「アメリカらしくない」「今すぐ辞めなければならない」と発言しています。
3月30日にはバイデン氏はアジア人差別と暴力の抑制の為に$50ミリオンの資金を投資することを発表しました。
アメリカの大統領であるが故の影響力と資金力を生かし、一刻も早くアジアンヘイトクライム終息に繋がれば良いですね。
まとめ
私からのお願いは、あなたにアジアンヘイトクライムについて「真剣向き合って頂きたい」ということです。
まず、世界で起こっている人種差別という理不尽な問題を理解しようとしてみて下さい。
毎日報道される新しいヘイトクライムに関する事件に耳を傾けて下さい。
そして、この今の現状についてあなたの家族や友人達と話しあってみてください。
SNSやブログなどで呼びかけてみて下さい。
近くで抗議運動を行なっている人がいたら、安全な限りでサポートしてみて下さい。
私たちはアジア人であることに誇りを持って、このアジアンヘイトクライムを辞めさせるように行動しなければなりません。
私たちの子供や孫の世代にこのような理不尽な差別を引き継ぐことがないように、一人一人の力を合わせることで大きな力にしてこれからの未来を変えていきましょう。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。